バレー部キャプテンと
よこしまな少女たち
第十一章〜間隙
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 香織の指先が、愛撫のように涼子の腹部を滑り、その手が止まる。
「どう? 少しは、カラダほぐれた? リラックスできそう?」
 この下劣な女を突き飛ばしてやりたいところだが、曖昧に首肯するしかない。
「あっ、はい……」
 すると、香織の視線が下がり、自分の下腹部に目を注ぐのがわかった。

「じゃあ始めるから、ま○こ押さえてる手をどかして。見えなくしてると、あたしの手もとがくるって、シャツが、『われめ』の中まで食い込んじゃっても知らないよ」
 人を人として、女を女として扱わぬ物言いで、ついに宣告を言い渡された。
 
 やにわに、体の内側から胸を叩かれるような、激しい悲しみに襲われる。他人の前で、これほど泣きたいと感じたことはない。
 涼子は、股間を覆っていた右手をおそるおそる横にずらし、女の黒い聖域を晒した。それをしかと見届けた香織は、涼子を挟んで反対にいる後輩に、手で小さく合図を送る。
 
 身構えるように涼子は息を止めた。
 間もなく、前後でぴんと張られた体操着が、突き上げられるようにして、性器の肉に接触した。
 最初の瞬間、全身がびくりと痙攣した。直前に、小さな覚悟が芽生えていたためだろう、先程のように無様な奇声を発することはなかった。
 香織とさゆりが、阿吽の呼吸でゆっくりと手を動かし始め、体操着の布地が、ぼってりとした性器の表面を撫でるようにして、涼子の股間を前後に行き来する。
 今、自分は、滝沢秋菜への波及を防ぐ代わりとして、彼女の衣類に、汚辱の黒い染みをべったりと擦りつけているのだ。紛れもない実状であるが、可能な限り、それを意識しないようにする。
 
 性器への刺激自体は、想像以上でも以下でもない……。いや、そう自分自身に言い聞かせて鼓舞しなければ、精神が崩壊し、発狂してしまいそうなだけかもしれないが。かちかちと鳴りだした奥歯を食いしばり、裸身を締めつけるようにして、ひたすら辱めに耐える。涼子の筋骨隆々とした下半身は、今、見るも無惨に震えており、脚を踏ん張り直すたび、大きなおしりの肉がぶるぶると卑猥に揺れていた。



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