バレー部キャプテンと
よこしまな少女たち
第十九章
しんしんと
20



 今になって、ようやく、わかったことがある。
 なぜ、自分は、涼子のことを、できる限り苦しめたいなどと思うのか。その最大の理由を、今さらながら理解した。
 自分の心の根底には、涼子に対する被害者意識が根付いているのだ。
 実際、自分は、被害者というべきだろう。
 本来ならば、高校三年生という、青春、真っ盛りの一年間を、涼子と共に過ごせるはずだった。自分には、その権利があったと確信している。けれども、涼子は、その幸せな時間を、自分に与えてくれなかった。すなわち、自分は、涼子によって、かけがえのない幸福を、不当に『奪われた』のだ。
 考えれば考えるほど、はらわたが煮えくり返ってくる。
 もし、自分が、どこかの国の王女だったらと、香織は夢想した。王女たる自分を蔑ろにした、涼子の罪は重い。涼子には、自らの手で、厳しい処罰を加える。具体的に、何をするか。まだ、純潔を守っている涼子の、女の穴に、指を突っ込み、その場で鮮血を流させてやるのだ。そうすることができたら、どれだけ気分がすっとするだろう。
 
 しかし……、現実世界において、香織は、王女でも権力者でもなく、ただの女子高生に過ぎない。もし、涼子の処女膜を傷つけたら、後々、犯罪者として断罪されるハメになることくらい、香織の頭でも、容易に想像がつく。(すでに、いくつもの犯罪行為に手を染めている気もするが、そのことは、あえて無視する。)明日を境に、涼子の人生は、大きく狂うことになるだろうが、自分は、その後も、真っ当な道を歩んでいきたいのだ。進学もしたい。いずれは、結婚もしたい。高い山がなくとも、深い谷がなければいい。ささやかながらも、幸せな人生。それを望んでいる。だから、涼子への復讐のせいで、一生を棒に振るなど、まっぴらごめんである。
 
 だったら、後ろの穴なら、いいのだろうか……?
 香織は、はっとした。
 涼子の後ろの穴を、陵辱することなら、許されるのだろうか……?
 それを真剣に考えたことはなかった。
 
 香織は、想像をたくましくする。
 場所は、体育倉庫の地下だ。
 その場にいるのは、香織たち五人と、饗宴の生贄たる涼子である。
 涼子は、一糸まとわぬ全裸で立っている。香織は、その涼子の背後に陣取り、そこにしゃがみ込んでいる状態だ。
 香織の視界を占める、涼子のド迫力の生尻。
 まず、やるべきは、涼子の身動きを封じることだ。さゆりが、涼子の右腕を、明日香が、左腕を、がっちりとつかんだ。香織は、涼子に釘を刺す。何があっても、暴れたりしちゃダメだよ、と。
 おそらく、涼子の口から、恐怖と絶望に満ちた声が漏れることだろう。
 香織は、涼子のおしりの割れ目に、両手の親指を差し込み、その汗ばんだ肉塊を、左右にぐいっと押し広げた。その奥に覗く光景は、以前、目にしたことがあるので、網膜に焼きついている。だから、毛の生え具合も、また、穴の色さえも、鮮烈に思い起こせるのだった。密生林のごとく生えた、おびただしい量の縮れ毛。だいぶ色素の沈着が進んだ感のある、ねずみ色の肛門。いい機会なので、涼子のその、不浄の穴を、じっくりと観察する。しわは、何本くらい刻まれているだろう。ひくひくと収縮する様が、おぞましいまでに淫猥だ。直接、そこに触れたことはない。試しに、人差し指で、軽くつついてみる。案の定、べたべたとした感触だ。多少、汚いと感じるが、涼子のものなら許せる。香織が、構わないのだったら、涼子の意思など無視していいのだ。その窄まった穴に、人差し指をぴたりと当てた。そのまま、ゆっくりと中に押し込む。強い抵抗を感じるものの、なんとか、第一関節まで入った。
 その時点で、きっと、涼子は、化鳥のような絶叫を発するに違いない。
 だが、香織は、それで止めようとは思わない。もっと奥に……。人差し指の第二関節まで、穴に埋まった。直腸の壁が、指を、強烈に締めつけてきそうだ。指が痛いくらいかもしれない。それでも、気合いを込めて、さらに奥へと指をねじ込んでいく。
 そのうち、涼子の身に、異変が生じ始めるものと予想される。全身のけいれんとか、そういう類のものだ。しかし、こちらは、すでに開き直っている。涼子が、意識を失って崩れ落ちるなら、それはそれでいい、と。そのため、怖いものは何もないのだ。
 とうとう、人差し指の付け根の付近まで、涼子の体内に入った。
 すると、どうだろう。その指は、塊にぶち当たるのではないか。時間が経てば、涼子の体から排泄される予定の塊である。もし、指先に、その感触があるなら、どうしてやろう……。
 恐ろしく不道徳な考えが、頭に浮かぶ。
 香織は、爪で引っかけるようにして、その塊の一部を削り取り、指をずずっと後退させた。その指を、涼子の穴から引き抜く。見ると、爪の間に、黒っぽいものが詰まっている。今や、生きるしかばねのごとく、健康状態が悪くなっている涼子のことだから、腸内環境も最悪に違いない。なので、香織のかき出した涼子の便は、すさまじい悪臭を放つことだろう。
 香織は、四人の仲間たちにも、その臭いを確かめさせる。そして、最後に、汚辱に震える涼子の顔に、その黒っぽいカスをこすり付けてやるのだ。
 
 そういう行為に及んでも、許されるのか。それとも、許されないのか。
 また、仲間の目も気になる。たとえば、滝沢秋菜などは、香織のその行為を見て、どう思うだろう。なんという大胆さだと、感服の念を抱くか。それとも、この子は変態だと、どん引きするか。
 明日は、その辺りの判断さえできなくなり、涼子に対して、暴走してしまいそうな気がしてならない。そんな自分自身が、正直なところ怖くもあった。
 
 激しく性器を愛撫する、右手の動き。
 いよいよ、絶頂が近づいてきた。膨張したクリ○リスが、大陰唇の上から、間断なく圧迫を受けており、その悶えるような快感に、腰が浮き上がっていく。もはや、体中の細胞が、獣のような本能に翻弄されている状態だった。
 夜の静寂に響く、香織の淫らなあえぎ声。
 明日は、覚悟してね、南さん……。あんた、骨の髄まで辱めてやるんだから……!
 わかっている。もう、自分の感情をごまかすのは、やめにしよう。自分の感情に、素直になろう。そうしたほうが、ずっと気持ちよくなれるはずだ。
 絶頂に昇り詰める、その時、香織は、口もとを押さえる体操着越しに、くぐもった声を発した。
「ビダビジァン、ダビジュギィィィィィ」



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